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コラム(今月の言葉)|Column
いまどきの働く意識から、未来の”働くヒント”が見える。


働く意識は、今どのように変化しているのか。在宅ワークが、コロナによって広がりを見せていましたが、終息と共に元に戻ろうとしているようだ。通勤電車は以前のように込みはじめ、働き方の変革はまた逆戻りしてしまうのでしょうか。

人材育成にかかわる仕事をしていますが、最近ちょっと気になっていることがあります。それは、将来のキャリアについて、あまり考えていない人が増えているように肌で感じてきたことです。



それを裏付けるように、2023年8月7日に出された日本生産性本部の第13回「働く人の意識調査」プレスリリースで、コロナがひとまず落ち着いたことで雇用不安について、53.2%が「不安は感じない」と回答。しかし、キャリアプランの有無については、「特に考えていない」という人たちが、7割強と前回の調査の結果よりも増加。



たしかに、職場に若者が入ってこない、部下が年上ばかりで仕事が回せない、職場のメンバーが削減されても仕事量は前のままなど、きびしい状況が現場から聞こえてきます。先が見えない社会の中で、目の前の仕事に追われ、日々仕事をこなすことに時間を費やしているため、将来のキャリアについて考える余裕がないという気持ちが湧いてくるのかもしれません。

でも、自らが先の見えない未来に対する不安や恐れから、「身動きが取れない!」「未来なんて思い描けない!」,「未来なんて思い描いても無駄だ!」とネガティブ思考になって自分で考えることを止めてしまうと、人生そのものを自分で否定してしまうことになります。将来キャリアを考える時間を大切に。自分で考え行動することを放棄してしまうことは、やめにしましょう。




さて、世代が違えば、意識も違うはずです。これから社会で活躍する若者たちはどんな意識で働こうとしているのか、彼らの考えを知ることで、これからの働くヒントが見えてくるかもしれません。





今回は、“若者たちは、育ってきた環境やコロナ禍の経験から、何を学習して、どのような働く意識になったのか”を見ていくことにします。


コロナ禍での大学生活を数年間過ごしてきた若者たちの働く意識は、以前とはずいぶん変わってきたようです。

彼ら世代とは、2000年ごろに誕生し、世界経済が失速した時代と共に成長しています。景気の良い時期を知らないわけです。親の背中を見ても働くことが魅力的には見えないまま、今を迎えていると言ってよいでしょう。そんな中で、コロナ禍になり、生活環境も激しく変化したときに、就活となった世代です。


オンライン授業での大学生活で、在宅を余儀なくされた結果、外の世界から閉ざされたzoomやteamsの環境に戸惑いながらも、結果的にそれを使いこなしてきた姿が見えてきます。オンラインの環境は、むしろ彼らにとって使いやすかったといえそうです。彼らのコミュニケーションはSNSが多く、また、いじめなどの学校経験などから、人に対して用心深く、素の自分を出さずにいられるこの環境が、居心地が良いと感じているのかもしれません。つまり他者との安全な距離感が守られていることは、彼らにとって、生きやすい環境ということなのでしょう。

そして就活もオンラインというスタイルで、社会人としてスタートしました。そんな彼ら世代は、どんな職場で働きたいと思うのか、仕事をどのように捉えようとしているのかを知ることにしましょう。


2023年入社の働く意識から探索していようと思います。

 リクルートマネジメントソリューションズの「新入社員意識調査2023」を参照した。調査内容は、働きたい職場、働くうえで大切にしたいこと、上司に期待すること、仕事をするうえで重視したいこと,得意なスタンス・苦手なスタンスが主だったもの。10年、5年と今年のデータ比較から意識の変化をみている。


新入社員の働く意識の結果

働きたい職場&働くうえで大切にしたいこと:



働きたい職場:

1位「お互いに助け合う」職場 66.4%、2位「お互いの個性を尊重する」職場 50.7%、

反対に、「アットホーム」な職場 37.3%、「活気がある」職場 25.3%、「互いに鍛えあう」職場 11.4%が低下した。

働くうえで大切にしたいこと:

働くうえで大切にしたいこと、1位「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」48.5%、「任された仕事を確実に進めること」38.9%、「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」29.3%、

反対に、「元気にいきいきと働き続けること」26.9%、「何事も率先して真剣に取り組むこと」13.8%が低下した。



これらのデータから彼らの働くイメージを膨らませてみると;


彼らが求めている「働きたい職場と働くうえで大切にしたいこと」は、


 「仕事に必要なスキルや知識を身につけ」、「任された仕事を確実に進めて」「失敗を恐れずにどんどん挑戦し」、「互いの個性を尊重して」、「互いに助け合って」仕事をする職場。



反対に彼らが求めていない「働きたい職場と働くうえで大切にしたいこと」は、


「アットホーム」で「活気がある」職場で、「お互いに鍛えあい」「元気にいきいきと働き続け」「何事も率先して真剣に取り組んでいく」ような仕事は求めていない。

大学教育の場で、彼らはSDG’sやダイバーシティに対する認知が広がりを見せ、個性を持つことが当たり前の時代に育っています。企業との関係性は、自分を犠牲にしてまで帰属するという意識は低い傾向にあります。職場での人間関係も連帯感は求めておらず、ビジネスライクに個々が尊重された関係性を大事にすると考えられます。



また社会の流れとして、核家族化の中で、家庭や教育の変化などから、塾など詰込み学習が主流となり、自分の考えを醸成する機会というか、自ら内省する機会を持てなかったと考えられます。学生時代の数年、コロナ対策での生活を強いられてきた世代でもあるため、行動して成功体験を積むことができなかったことは、大いに残念だったと思います。


失敗する経験も積んでこれなかった彼ら世代にとって、失敗への不安や恐怖は強い。そのためなのか、彼らは失敗せずに、堅実に仕事を進めたいという意識が高いですが、失敗を恐れず取り組む必要があることを自認していることがデータから推察されます。

彼らは、仕事をしっかり覚えて実力をつけることに力を注ごうとしています。たしかに成功体験を積んでいく経験を継続的に増やすことで、自己効力感を高め、自信を持つことが彼らの成長につながりますね。



彼らが未来に描いているのは、自律した自分と自律した職場で、確実に仕事をこなして働く姿を思い描いているように感じます。


上記に関連して、上司に期待することは、自ずと変化しています。



上司に期待することは、「相手の意見や考え方に耳を傾ける」49.5%、「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」49.1%、「好き嫌いで判断しない」がトップ3。

反対に期待していないことは、「職場の人間関係に気を配る」28.1%、「仕事に情熱を持って取り組むこと」19.6%、「言うべきことは言い、厳しく指導すること」17.5%が昨年より大幅に低下。




これらのデータから彼らの上司に期待するイメージを膨らませてみると;

●彼らが期待する上司とは、「相手の意見や考え方に耳を傾け」、「一人ひとりに対して丁寧に指導し」、「好き嫌いで判断しない」という上司を期待している。



反対に彼らが期待しない上司とは、「職場の人間関係に気を配り」、「仕事に情熱を持って取り組み」、「言うべきことは言い、厳しく指導する」という上司は期待していない。

モチベーションの高い上司よりも、感情の起伏のない、着実に仕事をする上司が良いようです。家庭や学校で厳しく叱られる経験も減少し、社会全体のハラスメント意識の強まりなどから、厳しいフィードバックを受けた経験も少ない彼ら世代といえます。

あまり叱られずに成長した彼らは、ある意味、社会環境的に”自分の意見は受容される”経験が多かったといえそうです。もし、彼ら世代が他者から叱られた場合、”どう対処したら良いか”が分からない可能性があり、積極的な表現や力強い言葉に威圧を感じ、ネガティブな感情を持つ傾向が高いかもしれません。

以上から、



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