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コラム(今月の言葉)|Column
支援とは、どういうことなのだろうか。

20年以上かかわりを持つ仕事の先輩の話をしようと思う。彼女は、頭脳明晰で東京大学を卒業して、企業で働き続けキャリアを積み上げてきた人である。
私は、同じ会社に勤めていたが、その会社を辞めようと思ったとき、彼女は私を引き留めるために何回もおいしいものをごちそうしてくれた。しかし、私の気持ちはすでに決まっていたので、私は、おいしくいただいて「気持ちは変わりません」と答えたのだった。今でも、「おごったのに辞めちゃうんだから」と、笑いながらその時のことを思い出して話してくれる。

この出来事(辞める話)で、いろいろと話し合って「お互いに会社を卒業したら、一緒に女性活躍支援の活動をしよう」という話に展開していった。なぜかといえば、率直に話し合う中で、共通のやりたいことが語れたからだろう。

5年くらいたったころ、彼女から会社を卒業したから支援活動をしようよと連絡をもらった。それから10年。一緒に女性活躍支援からダイバーシティ&インクルージョンへ活動は広がった。
そんなある日、突然、彼女は山の転落事故で、2~3か月無意識の状態が続き、何回かの手術をして意識が戻ったが、自分では全く体を動かすことができなくなっていた。

その事故から2年、自分の状況を受け入れていくことは、どれだけつらいことだろうかと思う。私は癌を患い、死ぬことを覚悟した経験を持つが、自由に動くことを取り上げられたとき、私はどのように自己受容していくのだろうか。

今私は、2週間に一回のペースだが、彼女に会いに行く。友達として会いに行く。
「死にたいのに、自分では死ねない」と語りかけてくる時もある。「そんなことを言わないで」といっても始まらない。彼女は誰かにその気持ちをぶつけたいのだから。

「そうなの」と私は彼女の気持ちを受容していくしかないように思える。
「支援とは、力を添えて助けること」と辞書にはあるが、私は、彼女にどんな支援ができるのだろうかと思うのだ。今はただひたすら、彼女に会いに行くことしかできていない私がいる。




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