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コラム(今月の言葉)|Column

ノルウェー女性エグゼクティブ

女性と仕事の未来館で行われた、内閣府、男女共同参画推進連携会議、NPO法人J-WIN、ノルウェー王国大使館共催のセミナーに参加してきました。テーマは「ノルウェー女性エグゼクティブ育成プログラム“Female Future”とその効果」と題してノルウェーから二人のゲストを招きノルウェーの女性エグゼクティブ育成プログラムについての講演と日本人役員の方とのパネルディスカッションが行われました。

私が興味を持ったのは、内容もさることながらノルウェー王国そのものでした。
実はノルウェーでは1981年に初の女性首相が誕生し、1986年に第二次内閣で18閣僚のポストの内8人の女性が就任しています。なぜそんなことができたのだろうと興味を持ったのです。

この背景には、ノルウェーの歴史が反映していました。
ノルウェー王国は、1913年に婦人参政権が与えられました。世界で最も早い国は1893年のニュージーランドです。アメリカは1920年、イギリスは1928年で、日本は1945年になります。ノルウェーはかなり早くから女性が選挙権を持ったことが分かります。

1978年に男女平等法が成立されましたが、1988年に男女平等法は改訂され「公的委員会・審議会は4名以上で構成される場合、一方の性が全体の40%を下回ってはならない」という、クオータ制を導入しました。

1993年には父親の育児休業制度を導入し、育休の内父親が4週間利用するものとし利用しないと権利が消滅することになる、パパ・クオータ制を導入。2004年には、政府系企業で取締役会がクオータ制の規定を満たすことが義務付けされました。さらに一般株式会社の取締役会がクオータ制の規定を満たすことが義務付けられ、かつ罰則規定が設けられました。国の後押しによって実質的な男女平等への動きがなされています。
このように、政府の後押しがあるからこそ実現できているのです。

日本において、女性の首相はいつ実現するのかと考えてみた時、まだ道のりは遠いと思ったのは私だけでしょうか。ノルウェーは、日本と何が違ったのでしょうか。

ノルウェーは、デンマークやスウェーデンとの連合を経て、第二次大戦でドイツに占領された後に独立国として現在に至っています。

長い間「連合」という言葉はありましたが、属領のように他国から見なされた弱者としての経験、また他国との連合の経験によって、多様性の尊重だけでは連合は成り立たたず、しかし同一化は意に反してしまうというジレンマの経験が、ノルウェーで生活をしていく人々の意識を成長させ、女性首相につながったのではないかと思います。ここが日本との大きな違いです。

ヨーロッパ諸国は、地続きで国が成り立っています。いろいろな民族が時代とともに大陸を動き、社会・文化的な影響を受けて人々は暮らしてきました。自国の中で主張を戦わせるだけでは国の安全は守られないために、他国からの社会・文化的影響を受け容れるなどを経験し、それによって価値観の違い、物事の捉え方の違いなどを数多く認知してきたと思います。その中で、たぶん女性たちは今まで自分が学んできた価値観とまったく違う価値観が存在することを知り、自分の心の中に閉まっておいた考えを自分の言葉で語っていったのではないかと思います。

ひと回り大きな意識・視点を持って物事を見て、そして自分の言葉で語っていきましょう。



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