キャリア&ライフデザインサポート|小西ひとみオフィシャルWebサイト|コラム(今月の言葉) Column キャリア&ライフデザインサポート|小西ひとみオフィシャルWebサイト|コラム(今月の言葉) Column
Home ご挨拶&プロフィール|Profile 主な活動内容|Work コラム(今月の言葉)|Column 読者からの声|Q&A お知らせ|Information お役立つリンク集|Link お問合せ|Contact us
コラムTOPへ戻る >>
コラム(今月の言葉)|Column
好意と敵意の狭間に何があるのか。あなたが好意や敵意を持つ理由

私たちは、初めて会って、まだ人柄も分からない段階で、「いい人だなあ」と思えることがある一方で、何故か好きになれないと思う時もありますね。このように私たちは、好き・嫌いと相対した感情が湧くことがあります。なんだか不思議ですよね。今回は、好意と敵意について話します。

好意とは、「いい人だなあと思う気持ち」「親切な気持ち」。敵意とは、「敵対しようとする心。」「相手を敵として憎む気持ち。」だそうです。


まずは、好意とは

人は、自分に好意を感じている知人に対してYesを言う傾向があります。私たちが最も頼みごとを聞いてあげたいと思うのは、相手をよく知っていて、しかもその人に好意を持っている場合です。

自分が相手に対して、好意を感じることもあれば、相手が好意的に自分に対してかかわることもあります。



ヒトが好意を感じるというのは、5つの要因から生まれる。



1.外見の魅力:身体的な美しさが有利に働くことは、以前から知られていますが、ハロー効果を生じさせ、親切、知性など他の特性に対しても評価を高めているようです。推しのタレントが、CMで「これ良いよ」と宣伝すると購買に繋がるという影響力は大きいのです。


2.類似性:自分と似た人に好意を感じ、そう言った人からの要求に、あまり考えずにyesという傾向が強いと言われています。


3.お世辞:あなたを褒める、称賛することです。あまりに露骨だと反感を感じますが、承諾を引き出しやすいので、ビジネスの世界では、よく見かけます。


4.接触:人やモノと接触を繰り返し、馴染みをもつことも、好意を促進する要素の一つと言えます。もちろん、快適な環境の中で接触が起こる場合です。あるインターネット広告の研究で、それを裏付ける結果が出ています。参加者が読む記事の上部にカメラのバナー広告を表示させた実験を行いました。5回表示させた場合、20回表示させた場合、まったく表示させなかった場合で、どんな違いがみられるかという調査でした。表示時間は極めて短い間だったので、参加者はバナー広告が出ていたことに気づいていませんでしたが、それでも表示回数が多いほど、そのカメラに対して好印象を持っていたというものです。


5.連合:広告制作や、政治家、商売人は、自分自身や自分の扱う製品と望ましいものを結び付け、その望ましさを分かち合おうとすることです。たとえば、好きなタレントやスポーツ選手が商品を持ってにっこりしているCM広告を見て、その商品またはタレントに好意を感じる。モーターショウで新車の横にかっこよい女性モデルが立っていますが、これも互いのカッコよさや美しさを分ちあう連合を用い、好意を高めていると言えます。




私たちは、好意的にかかわる人たちに、好意を感じてしまう。


例えば車や家を買うなど高額なものを購入しようとするとき、好感の持てない人から買う気にはなりません。“好感の持てる人から買いたい”と思います。信頼できそうとか、誠実に対応してくれそうなど、感じ取っているわけです。

好意は、関係構築には大事なことですが、承諾を引き出そうと悪用する人もいます。ですから、相手からの好意に、もし違和感を持ったら、あなたの好意的感情を切り離して、相手の申し出内容を冷静に考えて、承諾するかどうかの決定を下すことが重要です。

とは言え、人に好意を持つことのできるあなたは、きっとみんなからも好意を持たれると思います。好意は、人とのつながりを広げていくために大事なものと言えるようです。

*



敵意を生みだすものとは


他者の言動や行動から“悪意がある”と感じてしまう心理の傾向を「敵意帰属バイアス」と言います。

例えば、人混みの中などで、他者と肩がぶつかった時、敵意帰属バイアスに陥っていない人は、「すみません」と言ってそのまま立ち去りますが、敵意帰属バイアスに陥っている人、「ふざけんな!」と怒鳴ったり、舌打ちをしたりします。それは“肩をぶつける”という行動に“悪意がある”と感じるからです。

人間は、そもそも自己防衛することで生き延びてきました。大昔はたしかに、敵を意識できた方が生存確率を高めることができましたから。でも、現代社会においては、不適応な行動となり、あまり良くないものと理解されています。


敵意帰属バイアスを持ってしまう原因


Dodgeらに代表される社会的情報処理モデルの研究があります(Crick&Dodge,1994)。このモデルによると、人は社会的な情報を①手がかりの符号化、②手がかりの解釈、③目標の明確化、④反応の検索、⑤反応決定、⑥実行という6つの段階を通して処理するとされています。このうち一つ以上の段階でバイアスやエラーがあると、攻撃をはじめとする不適応行動が生じやすくなるのです。


社会的情報処理と攻撃行動の研究の中で、②“手がかりの解釈“における敵意帰属バイアスが多くの研究者の関心を集めてきました敵意帰属バイアスとは、自分が何らかの被害を受けた時に、加害者の意図を悪意に解釈する傾向を指します。このバイアスが高いものほど他者に対して(報復的な) 攻撃行動を示しやすいことが明らかにされています(Dodge,1986;Dodge&Coie,1987)。


この現象は、男女を問わず幼児から青年までの広い年齢層で確認されています。最近では仲間外れ、無視と言った関係性攻撃(仲間関係を操作することで相手を傷つける攻撃)や、自分が関係性攻撃の被害を受けているという架空場面に限って敵意帰属バイアスを示すなど広がりを見せています。相手の性格や態度が気に入らなかったなど、相手の印象においても攻撃を仕掛ける場合もあるのです。


敵意帰属バイアスにとらわれる時とは


上記で述べたように、社会的情報処理では、“手がかりの解釈”は、エラーとつながりやすいと考えられています。つまり、相手の言葉を自分がどのように解釈したかで、エラーになる可能性が高いと述べているのです。

社会的情報処理、平たく言ってしまうとコミュニケーションは、発信者が伝えたことを 受信者は解釈・反応して発信者に伝え返す。つまりコミュニケーションは受信者の解釈次第なのです。ですから、多かれ少なかれコミュニケーションでは、情報のズレや漏れが生じます。時として他者とのコミュニケーションで、自分の心の中に「モヤモヤっとした敵意」を感じたことは、だれでもあるのではないでしょうか。

私自身も、このようなモヤモヤを経験したことがあります。



     行動におこす、起こさない。どっちを選択したらよいか。


行動に起こす、起こさない。
そこには、どのような違いがあるでしょう。



ヒトが相手から感じ取ったことが、なぜ社会ではエラーになってしまうのか。それは、ヒトが経験の中で培ってきた認知が、他の多くの人の認識と違っているから。



 続きはこちらへ https://jsel.jp/4209/


 
Column Top Page >>
キャリア&ライフデザインサポート|小西ひとみオフィシャルWebサイト