"過去にあった有名な話があります。ニューヨークのジェノヴァーズ事件です。38人の目撃者がいたのに、誰も警察に通報しなかったというものでした。それもニューヨークの路上で30分以上の間に、3回にわたる襲撃を受けていたのに。大勢の人がその場に居合わせながら、誰ひとり犠牲者に対して手を差し伸べようとしなかった。この事件について、心理学者のラタネとダーリーは、多くの目撃者がいたから、誰も助けなかったと分析しました。みんなそれを見ていたから、私がやらなくても、きっとほかの人が通報しているだろうと思っていた。また、その時周りの人たちの行動を見て、同じ行動を選んでいたというものです。集合的無知と言われている現象だそうです。"
影響力の武器より抜粋 |