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■ 道を究める人生とバラバラの人生、そこに何が見えるのか。
6月1日に私のフェイスブック上でコメントした、70歳と79歳の現役クリエーターは、自信に満ち、一つの道を究めたことにプライドを持っていた。
私は、一つの道は究められずバラバラの道を歩んできた。数多くの経験は積んできたが、先輩のようなプライドは持てないと思っていた。ある出来事が起きるまでは・・・。
クリエーターのキャリアの捉え方は、その人の意味付けにより変わっていく。自分の才能が作品を通して社会に認められる、時代を読み自分の感性を表現する、クライアント(得意先)の意向を理解し自分の感性をプラスして具現化していくなど、多岐にわたる。
広告関係の仕事に携わっているものは、3番目に重点を置いているといえる。クライアントの求めているものを掴み、その半歩上を生みだすのだ。それは、クライアントの期待に応えるものを生みだし続けていくことであり、苦しくもあり、うまくいけば深い喜びにつながっていく。雑誌の表紙を飾るイラストレーターであれば、毎週表紙を生みだしていくのだ。うまくいけば「なかなか、いいじゃないか!」「さすが自分だ!」などとニヤニヤするところでもある。そう、自尊感情と自己効力感が次の作品を生みだしてゆく。
当初、私はクリエーターとしてのキャリアを目指していた。その根底には、経済的自立、職業人としての自律が、「クリエーター」という職業に可能性を感じたからである。
仕事人生をスタートして、自立/自律を目指していくために、キャリアアップしより良い職場に場を変えていった。化粧品メーカーに在籍していたとき、自分では思ってもみなかったキャリアの転機が訪れた。未知との遭遇とでもいうようなものだった。キャリアアップにつながるが、新たなキャリアにチェンジしなければならないという選択だった。
自分はどうしたいのか、考えなければならなかった。
メーカーでのクリエイティブの仕事は、ある意味保守的でもあり、スタイルが確立されてもいる。その枠の中で表現していくことが求められる。そのような環境にやや不満も感じていた自分がいた。もっと自分らしく振舞いたい。新しいことに挑戦したい。新たなキャリアへの一歩を踏み出すことにした。
クリエーターから営業に、そして人材開発、トレーニング部といろいろな職務経験を持ったが、一貫性のないバラバラな人生を歩んでいるとも思っていた。だからといって、何ら問題は感じていなかった。
ある研修で、自分の人生を語るワークがあり、その時もらったフィードバックで、「小西さんのキャリアのテーマは『デザイン』なのかな?」と。そう言われて、過去を振り返っていくと、どんな職業についていた時も、新たなものを生み出してきたと認識できた。
自分が「デザインする」というキャリアテーマに気づいた瞬間だった。腹落ちした心もちになった。
自分では、成り行きで生きてきたように思っていたが、
私の直観は、わたし以上に私のことを理解していたのかもしれない。
そして「デザインする」という軸が入ったことで、一つの道を究めてきたというプライドが以前よりも増したように思えている。
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