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コラム(今月の言葉)|Column
わたし色のキャリアを紡ぐ6  「良い(いい)加減への変容」の勧め

最近思うことのひとつに、ノビノビと生きている人が少なくなってきたのかなあと思うのだ。仕事柄いろいろな分野の方々や幅広い世代の方々ともかかわっているが、共通して言えることは受身的であるということだ。
社会の枠に合わせて、自分の意識を抑えて学校生活や仕事をしているために、自分らしさを出してはいけないと思っているように見える。そこで良い加減への変容を勧めたい。

私は、もともとクリエイティブの世界で青春を過ごし、ほぼ40歳までその世界に浸っていた人間である。そのような自由業の人間は、あまり将来に対して不安を覚えることもなく、「好きな世界で、自分を表現できたらうれしい」と、がむしゃらに仕事をして、気の合う仲間とバーの止まり木で語り合い、煙草のけむりを吸いながらウィスキーのロックをちびちび飲んだものだった。

「思いっきり生きていけば、未来は開ける」といった、心もちでいたように思う。つまり、のん気、楽観的に自由気ままに生きていた。つまり、失敗も多いのだ。
その最たる経験をお話しよう。20代のころだったと思う。デザイン事務所に勤めていたころの話である。一人小さなマンションにかっこつけて毎日楽しく暮らしていた。

仕事は順調で、コピーライター、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイクなどチームで作品を作っていた。仕事は残業もあれば泊りもあった。この業界は、年俸制のような考えが多く(よく言えばだが)12回分割でもらうか、15回分割でもらうかといった給与支払いだった。

ある時風邪をひき寝込んでいた。体調が良くなり、おなかがすいて財布を見ると、なんとお金がない!給料日まではあと1週間。アリとキリギリスだったら、まさしくキリギリスの私は預金などまるでなく、呆然とたたずんだ。ふと、1円玉、5円玉を貯めていた瓶のことを思い出し必至で握りしめて、近くの乾物屋の公衆電話まで走った。「おばさん、この1円玉と5円玉を両替してくれますか?」快く両替してくれた金額が、確か300円くらいだったと思う。どう考えても1週間は生き延びない金額なので、原宿に住んでいた友人宅に電話した。「お金がないから、給料日まで居候させて!」と無理やり頼み込んだ。電話代と、電車賃でお金は無くなった。

とにかく友人宅に着いて、私の状況を話した。大笑いをされたが「ひとみちゃんらしい!」の一言で居候として承認してもらった。友人も楽ではなく、しかし一人も二人も一緒と助けてくれたのだ。 
この1週間の経験は、変な話だがとても楽しく、そして今でも忘れられない思い出深いストーリーになった。
たまには良い加減に生きていく時もあっていいのではないだろうか。どんな経験でも、あなたにとっての大切なストーリーになるはずだから。




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