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コラム(今月の言葉)|Column
わたし色のキャリアを紡ぐ3  忘れられない学生たち<玉の輿シスターズ>

別の大学で大学1年生、2年生のキャリアデザインの授業を頼まれた。
この大学も必須授業として単位が取れるようにしてあるため、就職について不安がある学生や、なんとなく楽そうだから取った学生、また友達ができないからコミュニケーションを良くしたいと願って参加した学生など、さまざまであった。

複数のクラスを担当していたのだが、男子・女子学生は、個で行動するものと集団を守りながら行動するグループとがあった。どちらが良いとか悪いとかといったことはない。ただ、どちらも変化を嫌っているだけなのだ。もしかしたら、個を守ってきた学生の方が、日常からの変化を求めてこの授業を取ったのではないかと考えられる。

複数の集団グループの中で、女子学生グループももちろん複数あった。その中で、グループみんなが美人で、モデルのようにスタイルも良く、とてもおしゃれなグループがあった。最初の講義では、心理学のゲームやワークをしていた。その時は楽しそうに受講していた。しかし、だんだんと就活に必要な内容に移ってきたころから、なんだかつまらなそうな態度に変化してきていた。

キャリアビジョンを考えるワークをした時に、彼女らはさっさと書き終わり暇そうにしていた。クラスを回りながら彼女らのシートを見て、ちょっと唖然としたのだ。そこに書いてあったことは「お金持ちと結婚して専業主婦になり、のんびりと楽しくやりたいことをして暮らす」とあった。確かに、そんな生活ができるかもしれないので、全く否定はできなかったが、現実的にはなかなか難しそうに思えることである。

本当に心から望んでいることなのか、遊び半分で書いたことかを確かめることにした。彼女ら一人一人に訊いていくと、彼女らは同じように「先生〜、そんなの当り前にお金持ちと出会うようにして、私の魅力でバッチリよ!」まじめにそう話すのだった。憎めない明るさが彼女らにはあるので、思わず「玉の輿シスターズだ〜!」と私もにんまりしてしまうのだった。

玉の輿シスターズは、本当にそのようになりたいと思っているようなので、そうなるためのキャリアへの行動計画を考えてもらうようにした。
まず、「どのような生活をイメージしていると思うのか?」という質問で、玉の輿シスターズは、海外での生活、外国人とのパーティ、財界人とのパーティ、家政婦がいるとか、何とも夢の状態ではあったが、楽しそうに話し始めた。「そういう世界で自分はどういう存在なのか?」も聞いてみた。訊くまでもなく、玉の輿シスターズはその中心人物として自分を描いていた。

「そうなるためには、けっこうやることがあるのでは?」と質問を投げかけた。玉の輿シスターズは、「そうなの?」と目を丸くした。「そういう彼氏と出会うためには、出会える会社に就職しないとね」「それに国際的に生活するなら、マナーとか英会話とかあるんじゃない」。初めて、玉の輿シスターズは「やることもたくさんある〜!」とワークをやり直していった。

玉の輿シスターズは、どうなっただろうか。実現しているかもしれないし、遠い道のりを歩いているかもしれない。しかし、自分を見つめる機会は得たのではと思う。彼女たちは明るさを大事にして、貪欲に生きているだろう。楽観性は人を成長させる。


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