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コラム(今月の言葉)|Column
わたし色のキャリアを紡ぐ2  新たな挑戦が始まる

2007年に『わたし色のキャリアを紡ぐ』を出版した。あれからもう6年が過ぎていた。
たった6年の間にも関わらず振り返ればいろいろなことがあった。
2007年ごろは、大学の1年生から3年生までのキャリア形成の授業にも慣れて、私自身学生と接してキャリア教育でどのタイミングで何が必要か分かってきたころだった。実際、キャリアを教えるタイミングは、大学生になってからでは遅すぎることも分かることになった。「個人にとっての仕事の意義は」といった本質的なことを理解してもらいたいが、彼らの興味は就職内定を早くとりたいといったもので、意識のずれを感じながら授業をしていた。

ある大学で2年生のキャリアデザインの授業を担当することになった。その大学ではキャリアデザインの授業は、単位が取れるとあって、楽に単位が取れそうだと思ったのか、初日は科目を取った学生たちがとりあえず教室に座っているという感じだった。つまり、全く興味がない状態でこの科目を取ったのだった。教室に入ると、教室の半分は席が空いていた。名簿は50名なのに半数の参加なのかと思っていると、大きな声で騒ぎながら我がクラスに続々と入場してきた一団がいた。悪びれもせず、いつもの調子と言わんばかりである。


私は、このような状態は何としてもこちらに興味を持たせたい!と思う性分なので、作戦を考えた。まず、学生には、「この講義は、ただ聞いて単位がもらえるものではない。ワークやレポートを毎回書くし、最終講義の時のレポート提出で単位認定が決まります」と伝えた。案の定、どよめきが聞こえたのは言うまでもない。そしてすかさず、ワークをさせた。学生同士で行うマップコミュニケーションワークの前に、デモを兼ねてアイスブレイクとして、私と学生全体とでやることにした。学生はかったるそうな態度で私の動きを見ていた。私は、ホワイトボードに5つのテーマを書いた。「今、はまっているものは」、「飽きないものは」「得意なものは」など。それに応える形で当てはまる単語を入れる。「得意なものは、卓球」「今、はまっているのは、犬」ということを書き入れておく。そして学生に質問させていくことにした。

ちょっと斜めの学生たちは、がぜんうれしそうになった。「卓球やっているの?先生〜!」「犬ってなに犬?」「俺も犬飼ってるよ。」「どうして、犬を飼ったの?」「なんで卓球だったの?」といった具合に盛り上がった。そのたびに、私は丁寧に答え、なぜなのか、どうしてそう思ったのかを詳しく語った。この調子で自分たちもペアで同じことをやるように指示したら、まじめにやっているし、また楽しそうにやっている顔がみえた。そして、しめくくりとして、コミュニケーションの醍醐味や他者理解していく方法、理論と実践をちょっと真面目に話した。そして最後に、遅刻がいけないわけを話し授業を終えたのだった。

教師と学生といった関係性でなく、一人の人間としての対話が人間関係を作っていく。学生に伝えたかったメッセージである。
来月のコラムでは、印象に残った大学生の話をします。



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