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コラム(今月の言葉)|Column
児童虐待と脳発達との関係

日本心理学会主催の「脳の可塑性の視点から児童虐待問題を考える」というシンポジウムに参加した。
最近は、児童虐待というニュースが報道で流されることが多い。親が自分の子供に対して虐待をするというのは、いったいどういうことなのだろうか。
自分自身が子供を望まなかったために、子供を受け入れられないから虐待にはしるということもあるだろう。親の発達が未熟なために、自分の欲望を第一とし、子供は邪魔なものと考えて虐待してしまう、または自分の思うとおりにならないから、カっとなって暴力を振るってしまう。自分自身が人生に対して無気力であり、何もしたくないから子育てしない、自分も同じように育ったから同じことをするなど、多くの要因があると思われる。

今回のシンポジウムは、「当事者である子供は、親からの虐待によってどのような影響があるか」に焦点を当てたものであった。
講演者は、ハーバード大学 タイチャ―教授、福井大学 友田教授。

シンポジウムのサマリーとしては;
児童虐待の原因は、
身体的虐待(殴る、蹴るなどの暴力)
性的虐待
精神的虐待(ことばの暴力、両親間のDV目撃など)
ネグレクト(子供遺棄、栄養不良、極端な不潔、育児怠慢など)

子供の脳は発達していく中で、上記の虐待というストレスが脳に傷を刻みつけていく。そして、まさしく脳の発達に影響を及ぼしているとのことであった。
かなり医学的な内容だったが、脳の発達には、それぞれの領域に発達時期の違いがあり、影響もその領域ごとにそれぞれの障害となって表れてくる。脳梁なら9歳から10歳に虐待を受けると発達が正常に働かず減少し、記憶や想起を司る海馬の場合3歳から5歳ごろ虐待を受けると海馬が減少してしまう、扁桃体においては肥大、前頭前皮質では14歳から(思春期)と違う。この期間に虐待を受けていると脳の発達に影響があることが、fMRIのデータ上からも裏付けられている。

そのことから感受性に関する変化が存在することが検証されているようで、たとえば、うつ症状や、不安症状、怒り・攻撃心など、他者への基本的信頼が満たされず、癒されない傷をかかえる子供たちをうんでしまっている。治療法は、まだはっきりしたものはなく、慢性疲労症状などは認知行動療法で治ったという判例もある。
発達段階において、生まれてから15歳くらいまでが人間の基盤を作るために大切な時期となる。多くの子供に対して、そして彼らの親に対して、後戻りできないたった一回の人生を大切にしてほしいと思う。
ひとり一人の大人が、しっかりと問題と向き合い、愛情を注いでコミュニケーションを交わすことで、信頼できるとはどういうことかを教えていかなければならないと思った。


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